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Clair Law firm ニュースレター vol.110
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企業関連法務の最前線を紹介する
Clair Law firm ニュースレター
vol.110 25 Jan. 2012

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 堀さん(ホープウィルグループ)のメールマガジンに、イスラム教由来市場(ハラル市場・イスラム教の教義に違反しない製品作り)の記事が掲載されていました。市場規模で2.1兆米ドルを超え、世界人口構成でも約20%以上を占めるこのマーケットは、食品の製造工程など様々なルールがあり、ハラル適合認証を受けることによって参入できるというもので、大きなマーケットであることを改めて認識しました。

 今回は、会社から取立委任を受けた約束手形について商事留置権を有する銀行が、同会社の再生手続開始後に取立てた取立金を銀行取引約定に基づき同会社の債務の弁済に充当することの可否が争われた裁判例と、被告運営に係るインターネットショッピングモールに原告の商標権を侵害する他社商品が出品された事案について、被告は商品の譲渡主体でなかったとして、その商標権侵害・不正競争防止法違反の責任を否定した裁判例を紹介します。

 記事に関する御意見やご質問がありましたら、Blogの「Comments」欄 http://blog.clairlaw.jp/ にご記入下さい。
 当事務所の弁護士がコメントさせて頂きます。みなさんのご意見・ご質問をお待ちしています。

 1 裁判例紹介−最高裁平成23年12月15日第一小法廷判決

 会社から取立委任を受けた約束手形について商事留置権を有する銀行が、同会社の再生手続開始後に取立てた取立金を銀行取引約定に基づき同会社の債務の弁済に充当することの可否が争われた裁判例を紹介します。
 
 2 裁判例紹介―東京地裁平成22年8月31日判決

 被告運営に係るインターネットショッピングモールに原告の商標権を侵害する他社商品が出品された事案について、被告は商品の譲渡主体でなかったとして、その商標権侵害・不正競争防止法違反の責任を否定した裁判例を紹介します。

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1 裁判例紹介−最高裁平成23年12月15日第一小法廷判決

 本件において裁判所が認定した事案の概要は以下の通りです。
 XとY銀行は、平成18年2月15日、XがY銀行に対し債務の履行をしなかった場合、Y銀行は所持している手形等を取立てた上で、その取立金を同会社の債務の弁済に充当できるという銀行取引約定を締結しました。その後、Xは、平成20年2月12日、裁判所に対し民事再生手続開始を申立て、同月19日、再生手続開始の決定を受けました(再生手続開始の申立当時、XはY銀行に対し、少なくとも約9億6千万円の債務を負担していました。)。
 Y銀行は、Xの再生手続開始の申立に先立ち、Xから、満期を平成20年2月20日〜同年6月25日とする各約束手形について、取立委任のために裏書譲渡を受けていました。
 Y銀行は、Xの再生手続開始後、本件各約束手形を順次取立て、合計約5億6千万円の取立金を受領し、XのY銀行に対する債務に充当しました。
 Xは、Y銀行の上記充当は、法律上の原因がないとして、不当利得返還請求権に基づき、その返還を求め、Y銀行に対し訴えを提起しました。
 原審は、民事再生法上には、商事留置権は、特別の先取特権とみなす旨の規定(破産法66条)がないので、商事留置権に優先弁済権がないとして、Xの請求を認めました。
 これに対して、最高裁は、まず、取立委任を受けた約束手形につき商事留置権を有する者は、当該約束手形の取立てに係る取立金を留置することができるとした上で、上記取立金を法定の手続きによらず債務の弁済に充当できる旨定める銀行取引約定は、別除権の行使に付随する合意として、民事再生法上も有効であると解するのが相当であると判示しました。
 
 民事再生法には、破産法66条のような規定がないため、民事再生手続上、商事留置権を行使した場合の扱いがどうなるのか争いがありましたが、本判決は、取立金を債務の弁済に充当できる旨の銀行取引約定がある場合について、債務の弁済の充当を認めたものです。
 
 商事留置権は実務ではよく利用される担保権ですので、本判決は、実務上重要な意義を有するものです(平井佑治)。なるほど!


参考:最高裁平成23年12月15日判決
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20111215143824.pdf

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2 裁判例紹介―東京地裁平成22年8月31日判決

 本件は、「Chupa Chups」の文字・図形について商標権を有し、「Chupa Chups」という名称でキャンディを販売している原告(イタリア法人・ペルフェッティ ヴァンメッレ ソシエタ ペルアチオニ)が、楽天株式会社(被告)に対して、楽天が運営しているインターネットショッピングモール「楽天市場」において、「Chupa Chups」等の表示を付した他社商品が複数販売されていたことについて、商標法及び不正競争防止法に基づいてその販売差止めと損害賠償を求めた事案です。

 原告の差止め請求や損害賠償請求が認められるためには、楽天が商標法
2条3項2号「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、・・・譲渡・・・のために展示」したといえるか、不正競争防止法2条1項1号・2号「他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の・・・商品等表示を譲渡」したといえることが必要となります。そこで、本件では、「楽天市場」を運営している楽天が、原告の類似商品等を「譲渡」した主体といえるのかどうかが争点となりました。

 裁判所は、「楽天市場」の概要について詳細に検討した上で、(1)被告が運営する楽天市場においては、出店者が被告サイト上の出店ページに登録した商品について、顧客が被告のシステムを利用して注文(購入の申込み)をし、出店者がこれを承諾することによって売買契約が成立し、出店者が売主として顧客に対し当該商品の所有権を移転していること、(2)被告は、上記売買契約の当事者ではなく、顧客との関係で、上記商品の所有権移転義務及び引渡義務を負うものではないことが認められると判示し、出店者が「譲渡」の主体であって、楽天は「譲渡」の主体ではないと結論付け、原告の請求を棄却しました。

 商標法や不正競争防止法における「譲渡」の主体といえるかどうかは諸事情を勘案して判断することになり、本件では、個別事情を詳細に検討した上で、楽天が「譲渡」の主体に該当しないと判断したものです。このため、個別事情によっては、インターネットショッピングモールの運営者が「譲渡」の主体に該当する可能性があります。(鈴木俊)。なるほど!

参考:東京地裁平成22年8月31日判決
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100906085857.pdf

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□■ ご意見・ご質問は、
  news@clairlaw.jp または 03-3580-7761 までお寄せください。
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■発行 弁護士法人クレア法律事務所(東京弁護士会所属)ニュースレター編集委員会
   http://www.clairlaw.jp/
■住所 〒100-0014 千代田区永田町1丁目11番28号 相互永田町ビル6階
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講演会及び賀詞交換会が行われました
 去る1月20日、六本木ヒルズクラブにおいて、弊事務所主催の講演会及び賀詞交換会が行われました。

 講演会では、音声認識技術の最先端を行く株式会社アドバンスト・メディア(マザース上場企業)の鈴木社長からお話を伺いました。
 演題は「ソフトコミュニケーションの時代へ 〜声が価値を創る〜」です。
 ここでいうソフトコミュニケーションとは、人がマシンに合わせるのではなく、マシンが人に合わせるコミュニケーションの形態です。同社は、音声認識技術によるクラウド型ソフトコミュニケーションへの取り組みを進めています。
 会場では、実際にデモンストレーションが行われました。話者が違っても、また、方言などの単語やイントネーションが違っても、これらを踏まえた正確な音声認識に会場からは驚きの声があがっていました。

 引き続き行われた賀詞交換会には、午前中まで雪がちらついていたにもかかわらず、100名近い方々にご出席いただきました。
 賀詞交換会では、冒頭に、弊事務所が応援しているベンチャー企業「ワールドジャンパー」(八楽株式会社)のプレゼンがなされ、その後、和やかにネットワーキングパーティが行われました。

20120120

Clair Law firm ニュースレター vol.109
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企業関連法務の最前線を紹介する
Clair Law firm ニュースレター
vol.109 11Jan. 2012

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※※※  新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしく
|∞∞| お願い申し上げます。
~~~~  新年初回は、当事務所の弁護士からの年頭のご挨拶をお送り
します。

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昨年は、大量の冷水を浴びせられかけたような年でした。
今年は、更に深く考え、広い範囲で迅速に行動したいと思います。
昨年大きな気づきがあり、それをブログに書きましたので、ご笑覧
いただければ幸甚です。
テーマは、「幸せな人生を掴めるようになる人とは」です。
http://www.clairlaw.jp/blog/toshiofuruta/?p=48

代表パートナー 古田 利雄


昨年は、未曽有の大震災…
私の故郷、福島県いわき市も被災し、さらに原発事故による風評
被害に逢い、その損害賠償請求が新たな業務に加わった一年でした。
本年は、その継続と、学んだ多くの経験を、今までの企業法務に
活かしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

パートナー 佐川 明生


我が家では、月に2回程、病院勤めの妻(薬剤師)の夜勤に伴って、
4歳の息子と2人で夜を過ごします。炊事や翌日の保育園の準備など
大変なことも多いですが、最近は息子がお手伝いをしてくれるように
なったりして、何でもない日常に小さな幸せを感じます。
今年は多くの皆様が平穏で幸せな日常を過ごせるよう祈念いたし
ます。
パートナー 鈴木 理晶


退官して4年目となりました。
昨年も札幌、岡崎、富山、鳥取、島根、姫路、東京、広島で講演する
機会を得て、多くの方々の温かい気持ちと美しい自然に触れることが
できました。困難に立ち向かう絆の強さを感じ取ることができた年でも
ありました。
今年も、新たな力を持って飛躍したいと思います。
よろしくご指導の程お願いいたします。

星野 雅紀


昨年は、執筆に参加した「新・取締役会ガイドライン」と「非上場会社
の法務と税務」が相次いで出版されるなど、企業法務を中心とした
通常業務に加え、書籍の執筆に深く関わることができた一年でした。
今年も、元気に明るく、皆様のお役に立てるよう日々精進を重ねて
いきたいと思います。よろしくお願いいたします。

佐藤 未央


今年は辰年ですが、私は年男になります。あらゆることで龍の如く
昇っていく年にしたいと思っています。
例年のことなので今年もご報告しますが、体脂肪率については、
悪化の一途をたどり代謝が落ちていることを痛感しています。
今年は腹八分目を心がけるようにしたいと思います。

鈴木 俊


昨年は、東日本大震災、原発事故などのニュースが連日流れ、
明るいニュースが少ない1年でした。今年はぜひたくさんの明るい
ニュースに接したいと思っています。そして、きっとそうなってくれると
信じています。
また、日々の生活における小さなハッピーに気がつくことができる
だけの、ちょっとした心の余裕を常に携帯していきたいなと考えて
います。今年もがんばります。                                                 

田辺 敏晃


昨年は通常の民事事件に加え、刑事事件、破産管財事件等、
多様な業務に触れることができました。同じ事件などあるわけもなく、
一つ一つの事件を処理する難しさを、改めて感じました。
また、昨年はゴルフでコースデビューをしました。自然の中でプレー
するのはいい気分転換になりました。今年は、スコアを公表できる
ようになりたいと思います。

平井 佑治


昨年は企業法務に関するサポートや訴訟以外に、契約に関する
研修の講師をさせていただきました。研修を担当することにより自
分の知識をより深めることにもなり良い機会を頂くことができました。
今年もより厚く企業の方々をサポートできるよう自己研さんを含め
頑張っていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

吉田 南海子


昨年は東日本大震災等もあり大変な1年でしたが、同時に被災者
に対する援助をはじめ日本人の助け合いの精神を再確認させてく
れた1年でもありました。 私も社会のお役に立てるよう頑張りたい
と思います。
昨年も刑事事件を中心に弁護活動を行って参りましたが、依頼者
の気持ちに寄り添って考えることを心掛けました。
本年も、昨年に引き続き、人間性を磨くことに注力したいと思いま
すので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。


佐藤 亮
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□■ ご意見・ご質問は、
  news@clairlaw.jp または 03-3580-7761 までお寄せください。
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■発行 弁護士法人クレア法律事務所(東京弁護士会所属)ニュースレター編集委員会
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Clair Law firm ニュースレター vol.108
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企業関連法務の最前線を紹介する
Clair Law firm ニュースレター
vol.108 28 Dec. 2011

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早いもので今年も残りわずかです。本年最終回は、インターネット上の
求人・求職者情報提供サイトと職業安定法で規制される職業紹介との
関係と、顧客名簿が「営業秘密」に該当するか否かが争われた事案を
紹介します。
記事に関する御意見やご質問がありましたら、Blogの「Comments」欄
http://blog.clairlaw.jp/ にご記入下さい。当事務所の弁護士がコメントさ
せて頂きます。 みなさんのご意見・ご質問をお待ちしています。

1 インターネット上の求人情報・求職者情報提供と職業紹介との区分

 インターネット上の求人・求職者情報提供サイトと職業安定法で規制
される職業紹介との関係について説明します。


2 裁判例紹介―東京高裁平成23年6月30日判決

LPガスを販売する会社が配送業務のために委託先に提供した顧客
名簿について、パソコンを使用することができる従業員であれば誰でも
閲覧でき、秘密である旨も明示していなかったことなどから、「営業秘密」
に該当しないと判示した事例(東京高裁平成23年6月30日判決)を紹介します。


3 年末年始の営業期間

 弊事務所における年末年始の営業期間についてご案内します。
 
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1 インターネット上の求人情報・求職者情報提供サイトと職業紹介との
区分について

 リクナビ、マイナビを筆頭に、インターネットによる求人情報・求職者情
報提供が広まっていますが、職業紹介事業についてルールを定める職業
紹介法との関係が問題とされております。
 もし、インターネットによる求人情報・求職者情報提供が、職業安定法
が定める「職業紹介」に該当するとなると、厚生労働大臣の許可が必要
になるだけでなく、手数料の金額が規制され、「職業紹介」に公共性が求
められていることから、取り扱える職種を限定するのが難しくなり、年収
や役職などを限定することもできなくなってしまいます。
 
 職業安定法4条1項は、「職業紹介」を「求人及び求職の申込みを受け、
求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすること」と
定義しています。
 求人情報又は求職者情報を提供するのみで、求人及び求職の申込み
を受けず、雇用関係の成立のあっせんを行わない、いわゆる「情報提供」
は、職安法の「職業紹介」には該当せず、これを業として行う場合にも法
による許可等の手続は必要ありません。
 しかし、最近、情報提供事業者のホームページ上で、求人情報又は
求職者情報の閲覧を可能にするだけでなく、併せて求職者と求人者と
の間の双方向的な意思疎通を中継したり、求職条件又は求人条件に
適合する求人情報又は求職者情報を自動的に送信する仕組みとする
など、従来の「情報提供」の態様と大きく異なるものが出てきています。
これらは、特に管理職や高所得者層のみをターゲットとするなど、
「職業紹介」では行い得ない情報提供を行っている業者に多く見られます。
 ただ、実際、「職業紹介」に該当するか否か容易に判断しがたい事例も
多いため、厚生労働省は、「民間企業が行うインターネットによる求人
情報・求職者情報提供と職業紹介との区分に関する基準」を定めています。

 当該基準は、インターネットによる求人情報・求職者情報提供が、
次のいずれかに該当する場合には、「職業紹介」に該当するとしています。

(1)提供される情報の内容又は提供相手について、あらかじめ明示的に
設定された客観的な検索条件に基づくことなく情報提供事業者の判断に
より選別・加工を行うこと

(2)情報提供事業者から求職者に対する求人情報に係る連絡又は求人者
に対する求職者情報に係る連絡を行うこと

(3)求職者と求人者との間の意思疎通を情報提供事業者のホームページを
介して中継する場合に、当該意思疎通のための通信の内容に加工を行うこと

 (1)については、情報提供事業者が、自ら積極的に求職者又は求人者に
連絡を行い、応募又は採用の勧奨、採用面接日時の調整、情報の追加的提
供等を行うことは、雇用関係成立のための便宜を図るものといえ、「職業紹介」
に該当することになります。
なお、これらを全てオンライン上で行うとしても、情報提供事業者と求職者又
は求人者との連絡手段として従来の面談、電話、ファックス、郵便等の代わり
に電子メールを用いるに過ぎず、「職業紹介」に該当するか否かの判断に影響
を与えるものではありません。

 (2)については、情報提供事業者のホームページ上にある求人の求人者又
は求職者に対し、求職者又は求人者が当該ホームページを経由して電子メール
を送信することにより直接オンライン上で応募又は勧誘できる仕組みを設ける
場合には、情報提供事業者が通信内容に加工を行うものではなく、求職者又は
求人者に対して必要なメールアドレスを提供しているに過ぎず、このことによって
職業紹介に該当するものではありません。
なお、当該電子メールについて情報提供事業者がフォームを定め、求職者
又は求人者が当該フォームに必要事項を順次入力して作成する方式による
場合も同様です(佐川明生)。なるほど!

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2 裁判例紹介―東京高裁平成23年6月30日判決

 本件は、X社がLPガスの配送業務のためにY社に提供したX社の顧客名簿
}を、Y社が自己の営業活動のために利用したため、X社が当該顧客名簿は
不正競争防止法2条6項の「営業秘密」に該当するとして損害賠償を請求した
事案です。

X社は昭和36年ころからLPガスの仕入問屋であるY社からLPガスを仕入れ、
これを顧客に配送する事業を営んでいましたが、昭和50年代にY社がLPガス
の配送センターを開設することとなったため、Y社にX社の顧客名簿を提供し
顧客への配送を委託するようになりました。平成19年ころ、X社はY社に事業
譲渡を提案しましたが合意には至らず、X社はその事業をZ社に譲渡すること
となり、XY間の配送業務委託契約関係も遅くとも平成21年4月9日に終了し
ました。
その後、Y社は、同月11日から同年9月2日までの間、X社の顧客に対して、
Y社との間でLPガス供給契約を締結することを求める営業活動を行い、
Xの顧客2000〜2500軒中約680軒をY社の顧客として獲得しました。
X社は、X社の顧客名簿は不正競争防止法2条6項の「営業秘密」であり、
上記Y社による営業活動は不正競争防止法2条1項7号の「営業秘密の不正
使用」に該当するとして、Y社に対し、約1億3500万円の損害賠償を請求しま
した。

 裁判所は、不正競争防止法における「営業秘密」とは、秘密として管理され
ている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上
の情報であって、公然と知られていないものをいい、(1)秘密管理性、
(2)有用性、(3)非公知性が要件とされるとの判断基準を示した上で、
X社の顧客名簿は、パソコンを使用することができる従業員であれば誰でも
閲覧できたこと、秘密である旨も明示していなかったこと、X社からY社に対し
て秘密として管理するように具体的に指示されたものではないことなどから
秘密管理性が認められないことは明らかであるとして、Xの請求を棄却しました。

 不正競争防止法上の「営業秘密」として保護を受けるためには、閲覧権者
の限定や秘密である旨の明示などの「秘密として管理されていること」が必要
です。
経済産業省は平成23年12月1日に「営業秘密管理指針」を改訂し、参考
資料として「営業秘密管理チェックシート」なども公開されています。自社の
営業秘密の管理状況をチェックしてみて下さい。(鈴木理晶)なるほど!

参考―営業秘密管理指針(経済産業省HP)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/trade-secret.html#himitu

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3 年末年始の営業期間

弊事務所では、平成23年12月31日から平成24年1月3日までの期間を
年末年始休業とさせていただきます。
通常営業は同年1月4日からとなります。
ご不便をおかけしますが、何卒ご理解いただきますよう宜しくお願いします。

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Clair Law firm ニュースレター vol.106
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企業関連法務の最前線を紹介する
Clair Law firm ニュースレター
vol.106 22 Nov. 2011

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 ソフトバンクホークスが日本シリーズを制し、ソフトバンクになってはじめて日本一の栄冠に輝きました。
 さて、今回は、中国国際経済貿易仲裁委員会がなした仲裁判断の我が国での承認及び執行の要件について判断した裁判例と、休業補償給付等が賃金を補てんするものでないとして、これらの給付の受領を理由とする賃金額の減少を認めなかった裁判例をご紹介します。

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1 裁判例紹介―大阪地方裁判所平成23年3月25日決定

  中国国際経済貿易仲裁委員会がなした仲裁判断の我が国での承認及び執 行の要件について判断した裁判例をご紹介します。

2 裁判例紹介―東京高裁平成23年2月23日判決

  休業補償給付等が賃金を補てんするものでないとして、これらの給付の 受領を理由とする賃金額の減少を認めなかった裁判例をご紹介します。

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1 裁判例紹介―大阪地方裁判所平成23年3月25日決定

 本件は、中国企業のA社が申立人で、日本企業のB社が被申立人です。A社とB社は平成19年9月に、単結晶シリコン棒の売買契約を締結し、両社は、この売買契約書において、本件契約から生じる紛争については中国国際経済貿易仲裁委員会(CIETAC)の仲裁によって解決するとの合意をしました。
 平成21年8月に、この売買契約について紛争が生じ、A社がこの仲裁委員会に仲裁を申し立てたところ、仲裁委員会は、B社はA社が支払った代金50万1920米ドルを返却しなければならない等の仲裁判断をしました。
そこで、A社が大阪地裁に対し、この仲裁判断を我が国で執行するための決定を求めたというものです。

 争点としては、もともと仲裁判断に基づいて強制執行するためには裁判所が仲裁判断に基づく民事執行を許す旨の決定を出す必要があるのですが(仲裁法45条1項ただし書き)、外国でなされた仲裁判断の場合には国家間の条約などが存在することから、本件でも、中国でなされたこの仲裁判断を、我が国において執行するための準拠法や要件が問題となりました。
 大阪地裁は、まず、多国間条約であるニューヨーク条約(「外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約」)及び日中貿易協定が適用されるべきと判示しました。そして、ニューヨーク条約7条1項は条約締結国が仲裁判断の承認及び執行に関する他の条約を締結しているときにはそちらが優先することを認めていると指摘し、日中貿易協定が優先的に適用されると判示しました。
 次に、日中貿易協定8条4項が「両締約国は、仲裁判断について、その執行が求められる国の法律が定める条件に従い、関係機関によって、これを執行する義務を負う。」と規定していることから、結局のところ、執行が求められる国である我が国の法律が適用され、日本の仲裁法が適用されることになると判示しました。そして、本件では仲裁法45条2項各号に定める適用除外事由が認められないとして、仲裁判断に基づく強制執行を許可する旨の決定を出しました。

 紛争解決の強制的な手段としては、大きく分けて訴訟と仲裁による解決が考えられます。訴訟による解決の場合、一方の国の判決を他方の国で執行する場合、その外国判決を承認するかどうかが問題となり、日本の民事訴訟法118条4号は「相互の保証があること」(その当該外国でも日本の判決が一定程度承認されていること)を承認の要件の1つに掲げています。日本と中国との間においては、この相互の保証がなされていないと考えられる現状で考えると、契約において、紛争解決の手段としていずれかの国の裁判所を専属管轄とするような合意は避けるべきといえます。そこで、日中間の国際取引においては仲裁を解決手段として契約上明記することを選択することが多くなってくるのです。今回ご紹介した裁判例は、その日中間の仲裁に関する準拠法・要件について判断した裁判例として実務上参考になるものと考えます(鈴木俊)。なるほど!

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2 裁判例紹介―東京高裁平成23年2月23日判決

 株式会社Yの従業員であるXが、Yがした平成16年9月9日付解雇は、業務上の疾病であるうつ病のために休業していた期間になされたものであり、労働基準法19条に違反して無効であるとして、雇用契約上の地位確認と、未払賃金、安全配慮義務違反による債務不履行または不法行為に基づく損害賠償金の支払い等を求めた事案です。
 Yは、Xが休業を始めた以降の賃金を支払っていないため、Xは、解雇後の賃金はもちろん、休業期間中の未払賃金も請求しています。一方で、Xは、休業期間中に、健保組合から傷病手当金等を、労働基準監督署から休業補償給付等を受領しています。

 裁判所は、Xのうつ病が業務上の疾病であり解雇が無効である、また、Yに安全配慮義務違反による責任があると認定しており、これらはもちろん争点となりましたが、 今回紹介するのは、賃金を支払う必要があるとしても、休業期間中の賃金額から、Xが受領した傷病手当金及び休業補償給付の額を控除することができるか、という点です。

 裁判所は、傷病手当金、休業補償給付は賃金を補てんするものではないから、これらの給付を受領しているからといって賃金額が減少することにはならないとして、賃金満額の支払いをYに命じました。
 なお、Xがすでに受け取った休業補償給付は、労基署との関係で不当利得になる(労基署に返還することになる)としていますので、Xは、休業期間中について、賃金と休業補償給付をダブルでもらうことはできないことになっています。

 解雇が無効な場合、解雇時に遡ってそれ以降の賃金を支払うことになりますが(いわゆるバックペイというものです。)、本件は解雇後6年以上経過しているため、解雇後の賃金総額だけでも2000万円を超えています。本件のY社は大手企業でしたが、中小規模の企業では資金繰りに影響を及ぼすことになったかもしれません(田辺)。なるほど!


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